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「青くて痛くて脆い」住野よる内容感想ネタバレ!

今日読んだ本はこちら、住野よるさんの「青くて痛くて脆い」

 

青くて痛くて脆い

青くて痛くて脆い

 

 「君の膵臓を食べたい」で一躍有名になった、住野よるさんですが、私はこの方の本を読むのは初めてでした。本作「青くて痛くて脆い」は、現代大学生のリアルな人間関係や感情を描いています。とてもすらすらと一晩で読める、面白い本でしたので紹介したいと思います。

<あらすじ>

公式サイトより引用しています。

人に不用意に近づきすぎないことを信条にしていた大学1年の春、僕は秋好寿乃に出会った。
空気の読めない発言を連発し、周囲から浮いていて、けれど誰よりも純粋だった彼女。
秋好の理想と情熱に感化され、僕たちは二人で「モアイ」という秘密結社を結成した。

それから3年。
あのとき将来の夢を語り合った秋好はもういない。
僕の心には、彼女がついた嘘が棘のように刺さっていた。
「僕が、秋好が残した嘘を、本当に変える」
それは僕にとって、世間への叛逆を意味していた――。

 

簡単にまとめると、自由奔放な女子大生と、おとなしめの男子大生の二人で学生団体を作りますが、学生団体の規模が大きくなるうちに、男子学生が追い出されてしまい、それに対して復習を行う、という内容です。

 

<感想ネタバレ>

①まず、びっくりしたこと。

「秋好、生きてるの?この世にいないんじゃなかったの!?」

いやー、驚きましたね。笑

序盤で、秋好はなくなってる的な発言をしていたので、てっきり。交通事故かなんかで亡くなったのだと思っていました。しかも、「モアイのリーダーヒロ=秋好」だったなんて!ヒロという名前から男の人だと勘違いしていたので、ヒロが女性だとさらっと会話に出てきたのは驚きでした。

主人公の田端的には、「モアイを作った頃の秋好≠今の秋好」ということで、あの頃の秋好はもういない、死んでしまったのだと考えていたのでしょうね。

続いて、いくつか気になったところを。

②学生の名簿を企業に売ってお金をもらうという悪いことをしていた秋好ですが、そこに対する秋好自身の理由というか、正義感を感じられたらもっと良かったです。本文では、秋好はあっさりと、悪いことだとわかってるみたいな発言をしていましたが、もっと深く秋好の心情を描写してくれたらよかったなと。

③董介は田端が「モアイが企業に学生名簿を売っている」という事実をSNSにあげることを、もっと全力で止めなかったのか。

最初はモアイを嫌っていたが、潜入捜査としてモアイメンバーと交流するうちに、モアイを壊す計画から手を引くことにした董介。「楓が間違っていると思っているわけではなく、手段がな」と言って計画から降りたが、その際に企業が学生名簿を持っているという証拠の入ったUSBを田端に渡すのです。打倒モアイを掲げて、一から計画を練って二人で進めていたわけですから、董介的には、途中で降りるのは申し訳なく、計画を止める権利はないと思っていたのでしょう。しかし、秋好がそのことを知ったら、董介に対して、どうして止めてくれなかったのかと思うでしょう。董介一人では計画を止められなくても、秋好やモアイの幹部に相談していたら、SNSで拡散させる以外の方法もあったかもしれないのになと思ったりもします。

 

<まとめ>

いい作品でした。

自分の内面、本当の感情を見つめられるようになった主人公に感動しました。社会人になってから、モアイに戻ってくることができて良かったなーと感じました。

私のつたない感想では、この作品の良さを十分に伝えきれていないので、ぜひとも「青くて痛くて脆い」を読んでいただきたいと思います。住野よるさんの他の作品も読んでみたいと思います。